(双葉文庫 2020年11月刊行 630円+税)

江戸の町で幼い娘のかどわかしが続けざまに起きていた。事件の数日前から薄汚い身なりをした不審な兄妹が近づくのだという。深川で家請人業を営む克次は、のたれ死に覚悟で親元を飛び出し「家を借りたい」と一度訪ねてきたきりの兄妹が気になった。ご赦免で江戸に戻ってきた老爺・喜八と克次は知り合う。喜八は人さらいの手口を聞いて顔色を変えた。元切れ者の十手持ち・克次が弱者の力になろうと駆け回る傑作シリーズ第2巻。人を思う温かさと切なさと。