(双葉文庫 2020年3月刊行 630円+税)

江戸では、駆け落ち者や傷病で働き手を失った一家など、借家の請人(保証人)を見つけられない困窮者は多い。弱りきって訪ねるのが、甘いと評判(?)の“深川の人情請人”克次の所だ。元の克次は優秀な岡っ引きだったが、重大なしくじりを犯してやめていた。忘れられない過去、もう会えぬひと、悔恨を拭い去れぬまま、いつしか克次は再び大捕物に首を突っ込んでいく―。堪えて偲ぶ、粋な克次の事件帖、清々しい傑作の新装版が登場!