(双葉社 双葉文庫 2004年9月刊行 600円)

発端は、呉服商若狭屋の娘・信乃が従姉の千佐とともに拾った一羽の鳩。
豪商泉屋は小判を積んで鳩を渡せと若狭屋に迫り、その要求を突っぱねた若狭屋では番頭が殺される事件が起こる。襲ったのは小浜藩の侍。泉屋と小浜藩との関わりはいったい何なのか……。
東町奉行所同心・丹羽祥吾とともに、信乃の許婚で武士の血を引く若者・甲次郎が事件の真相解明に奔走する。
嘉永年間の大坂を舞台に、武士と商人の策謀を描く、書き下ろし長編時代小説。