(角川春樹事務所 ハルキ時代小説文庫 2003年10月刊行 600円)

舞台は大坂、時は大塩の乱から7年後。
「天下の豪商」鴻池の娘・澪は、病臥中の兄を見舞いにきた本家で、加賀藩士菊池兵吾と名乗る武士に襲われた。間一髪で澪を助けたのは通りすがりの町人、孝助。だが、命の恩人と思ったその男は、澪の兄の枕元から薬を奪い、逃げ失せる。菊池兵吾の、そして、孝助の目的は、いったい何だったのか。澪は、幼なじみの町同心、桐谷藤馬らとともに、真相を追い始めるが……。
書き下ろしミステリー時代小説。