(双葉文庫 2018年8月刊行 630円+税)

千年の古より四天王寺に属して舞楽を奉じ、また大坂の待ちの守護者たるべく、闇の使命を継いできた忍びの技を持つ者たち、人呼んで〈在天〉。その長の血を受け継ぐ姫である東儀左近は、18歳という若い身空で、欲にまみれた悪徳商人や不浄幕閣に立ち向かう。人形芝居の旅の一座が惨殺された。生き残りの男の子を匿いながら左近が事件を追った先には、ご政道に苦しめられる者たちの驚くべき真実があった。揺れ動く未熟さを抱えつつも、宿命のもと、凛と闘う姿が感動的に美しい左近の物語、堂々の復刻第1弾!