2月27日、「蘭~緒方洪庵 浪華の事件帳」の制作発表が行われました。
私も原作者として、登壇させていただきました。
演出の錦織一清さん、主演の藤山扇治郎さん、北翔海莉さん他、主要キャストさん勢揃いでの発表で、取材の方も本当におおぜい来てくださっていて、あらためて、大きな企画に拙著を選んでいただいたのだなと、身の引き締まる思いでおります。
各種、芸能ニュースなどに、すでに取り上げていただいています。
私のコメントまで載せていただいているのは、
ステージナタリーさん
https://natalie.mu/stage/news/271514
SPICEさん
https://spice.eplus.jp/articles/175573
自力で探せた範囲なので、他にありましたら、ご紹介できなくてすみません。
写真もたくさん掲載されていますので、ぜひご覧いただければと思います。
この記事の冒頭にあげた写真は、編集者さんがスマホで撮ってくださったものなので、限界がございまして。すみません。みなさまのコメントや、会場での様子なども、詳細に書かれているので、ぜひ、ご覧くださいませ!
……で、ここから、個人的裏話なんですけど。
実は、私と担当編集者さんふくめた出版社サイド、ここまで大規模な発表だと把握しておりませんで。いや、もちろん、松竹さんの舞台ですから、きちんとされるんだろうとは思っていたんですが、それでも、こんなに大勢お見えだとは思っていなかったのです。キャストさんも、取材の方々も。
製作発表の会場はホテルのホールでして、その前に、登壇者および関係者は控え室に集まるわけです。
私は、わりと早めに着いたんですが、すでに入っておられた方を見て「うわっっ」と思いましたし、そこからさらに、ぞくぞくとキャストさんたちが入室してこられるものですから、「え、これ、何人来られるんですかね??」って、編集者さんとひそひそ。最終的に、「決定稿チラシに載っている方全員ご登壇です」と松竹の方から説明がありまして、「そ、そんなの初めから言っといてくださいよ…!」と思いました。口にはしてませんが(笑)。
言われていた場合と、そうでない場合と、私のすることも準備も何も変わらないし、初めから、大事な場、大事なお仕事として臨んではいたんですが、でも、なんとなくこう、お仕事が、想定していた規模の数倍だった場合、やっぱりちょっと、おろおろはいたします。
でも、うれしかったです。すごいな、こんなに大きな舞台になるんだな、と。これだけ豪華な舞台の原作に拙作を選んでいただいたというのは、本当に、光栄です。
会場を後にしたあと、出版社の方々とお食事していたんですが、そこで、「洪庵シリーズ」の成り立ちが話題にのぼりまして。「(単行本版を初めに出版してくださった)鳥影社さんの依頼で書いた本ですか?」と訊かれましたが、そうではなくて、これは2冊とも、持ち込みという形で書いた本です。その頃の私はまだ、依頼をもらえるほどの作家ではありませんで。正確に言いますと、第一作「浪華の翔風」を書き、某社から依頼をいただきはしましたが、そこがつぶれてしまい、書き上げた長編400枚は宙に浮き。だったら、もう一度、鳥影社さんから〈在天〉の話を出していただけたらいいなと思って、新たにこつこつ一話ずつ、書いたぶんからお送りして、OK出たら次を書いて……という形で、2冊分、出していただいたのです。本にしていただけただけでもうれしかったのに、それが、ドラマになって、舞台になって……。会場でも「舞台化の話に、とても驚きました」と申し上げましたが、そういう事情もあってのことなのです。ほんとに、驚くことばかり起きる作品です。
舞台の話に戻りますと。
錦織さんが、会見のコメントで少しおっしゃっていたのですが、この物語は一度、テレビドラマになっています。でも、ドラマと舞台はまったく違う。錦織さんは、ドラマ版は見ていないとおっしゃいましたし、プロデューサーさんも、前にそう言われていました。私は、どうしても、ドラマ版ではこうだった、舞台ではどうなるのかな……という視点を持ってしまいますが、舞台を作る方々はそうではないのだなと、会場で、隣席の錦織さんのコメントを聞きながら、再認識いたしました。今さら、と言われそうですが。
脚本も最終段階に向かっていまして、私は、見せてもらってはいますが、基本的には「舞台のことは舞台の方にお任せで」というスタンスでいます。素人ですから。控え室で、松竹の方とキャストさんがお話されているのを聞きながら、それも改めて思いました。「ああ、演劇人の会話だな、見ている世界が違うな」と。
楽しみです。
上演にそなえ、いろいろ予習(というのも変な言い方ですが…)もすすめています。
先月は、大阪で二回、舞台に行きました。
緒方章役の藤山扇治郎さん、同心手先役の渋谷天笑さん、お二方がご出演の「エルスール 我が心のふるさと博多、そして西鉄ライオンズ」。
若狭役の荒木宏文さんがご出演の、「駆けはやぶさ ひと大和」。
どちらも、すばらしかった。圧倒されて、見たあと数日、場面がふっと脳裏をよぎるような。また、改めて感想を書きたいです。
あと、北翔海莉さんの公演DVDもいろいろ見てます。
いつもテレビで拝見している方も多いですが、舞台作品も、5月までにできるだけ拝見したいと思っています。錦織さんの演出作品も。そのほうが、より楽しめるような気がするんです、「蘭」の舞台。せっかくの機会ですから、楽しめる上限まで楽しみたい!そう、思っています。