この半年の間に、世界は大きく変わってしまい、いろんなことを諦めたり見送ったりしながら、自分と家族を守れるよう、人に迷惑をかけないよう、ひっそりとしっかりと暮らし、このまま息を潜めてどのくらい過ごせるだろうなんて、あまり希望のないことを考えたりもして。やっぱり去年の治療の後遺症もまだ気になるし、そうそう体の強いほうじゃないし、とか。
でも、いつかまた、以前のように笑ってしゃべって、不安なく友達と会って美味しいもの食べてお酒飲んで、のびのびと旅行もして、そして、何よりコンサートに行きたい。強く強くそう思った、二〇二〇年の八月二十五日。アルフィーさんの、初の配信の、無観客の、夏イベントが終わった夜。
イヤホンして椅子に座って聞いていたんだけど、いつのまにか立ち上がって、拳振り上げて、拍手して、泣いて、そして、こういうときに隣にいるはずの友人たちと、また絶対に一緒にコンサート行こうなと終演後にメール送りあって。
なくなっても生きていけるかもなんて思わず、やっぱり、取り戻したい。大規模コンサートはもう時代じゃないのかもねなんて諦めに近い気持ちにもなってたけど、それでも、やっぱり、またアルフィーのコンサートに行きたい。満員のホールで、アリーナで、拳を振り上げたい。コンサート終わりの熱気のなかをふわふわと歩きたい。友達と別れるときは、次は○○ホールでね、と再会を約束して手を振りたい。諦めたくない。
あー、コンサートに行きたいなああ!
きっと、行ける日が来るはず!!
配信を見ていたWi-Fiのいちばんつながりやすい部屋が、かつて一緒にコンサートに行っていたひとの遺影がある部屋で、いつも隣で拳ふりあげていたことを思い出しつつ、久しぶりに一緒にコンサート見られてよかったよなんて思ったりもしました。そういう意味じゃ、配信も悪くはない。