「家請人克次事件帖」シリーズの二冊目、「冬の舟影」新装版が発売になります!
11月10日過ぎごろから、店頭にも並び始めると思います。

今回も、表紙の絵をはぎのたえこ様、カバーデザインを松岡史恵様が手がけてくださいました。克次と誰かの人生が、交わって過ぎていく、その一瞬の姿。素敵な本にしていただき、ありがとうございます!

「克次」シリーズの二冊目は、人さらいをめぐるあれこれ。虐待の痕も生々しい幼い兄妹が、「家を借りたい」と克次を訪れるところから話は始まります。親に頼れない子供、前科者とその家族、妾奉公をしていた女。普通の暮らしから少しずれてしまったがために、幸せになることが難しい町のひとたちのお話。ヒロインお京の過去話もでてきます。

きわめて個人的なことですが、今の私が読み返すと、経験したあとのほうが書けないことってあるので、あの頃書いておいてよかったなと思ったりします。帯にも抜粋してもらった一言など、今のほうが書けないだろうなと。過去の自分が書いたことに対して「今はそうは思わない」わけではなく、ただ、今書くとしたら、違う書き方になるかな、と思うのです。だから、書いておいてよかった。

それが、この一言です。
「今は生きていたらいいこともあるんだと思えるようになりました」。

うまくいかなかった何かを抱えながら、前向きに生きていこうとする江戸の町のひとたちの物語です。
発売は、11月10日ごろです。
お手にとっていただけたら、幸せです。

新刊以外のお知らせも、一つ。
京都国立近代美術館のニュースレター『視る』の、巻末リレーエッセイを書かせていただきました。私の最初期の数冊の本を世に出してくださった編集者の樋口至宏様からバトンをまわしていただきました。ありがとうございます。
美術館の広報誌ということで、私の大好きな刀剣鑑賞について書いております。館内で無料配布されるそうですので、ご縁がありましたら、ぜひ、ご覧いただければと思います。

そして。
また、そのうち。
新しいお知らせも、できたらいいなと思っております!

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