(「浪花の華」蔵出しレポです。
この記事についての詳細は、6月1日付の「浪花の華」再放送、という記事を御覧ください。
08年11月11日、京都太秦の東映撮影所によって行われました、「浪花の華キャスト&スタッフ顔合わせ」会のレポです)

・台本読み終了後、「どうでしたか?」とプロデューサーさんが。「すごくよかったです」と言うと、「舞台のひとは本読みの段階から入り込んでるけどテレビのひとはあんまりそこまでしない。でもこれからですから」と。「考えていたのと違うイメージのひともいるけど、それはそれで楽しみです」と言っておいた。なにもかもが原作者のイメージ通りというわけではないけれど、その違いも「へええ、こういうのもアリか」と楽しめるくらいには「納得のいく」ものではある(若狭がやけにかっこよかったり、とかね・笑)。今のところ、だけど。

・そういえば、脚本家の方はこのために二ヶ月半大坂にカンヅメだったそう。自転車で町を走り回ってイメージをつかんだりして書かれたんだそう。「だからこの作品には絶対成功してほしい。すると思います」と挨拶のときに仰ってて、そっか、私にとっては「ドラマに選ばれた」だけでもう「成功した作品」だけど、他のひとたちにはここから「成功か、そうでないか」決まるんだな、と改めて気づく。私の仕事だけがもう終わってるわけだ。不思議なことに。私の生んだ世界なのに。だからこそ、というべきか。

・台本読み終了後、キャストは別々に衣装合わせに呼ばれたり、かつら合わせに呼ばれたり、忙しそう。栗山さんと窪田くんが楽しそうに何か話していたのが可愛かった。そのふたりが章と左近だってのは、なんかこう、不思議な感じ。

・台本読みをやってた会議室が、とにかく寒い。11月だっていうのに、なぜ窓を開けたまま、ドアもあけたまま、空調もなしの部屋で1時間半に渡って読み合わせをするのか。俳優さんて体感温度が一般人と違うのか? 寒くて冷え切って、ホンマ大変だった……;。栗山さんの真後ろの窓が全開でふきっさらしだったんだけど、寒くなかったのかなあ。

・帰り、プロデューサーさんに、築山さん駅までタクシー呼びましょうかと言われ、近くにいた宮内さんもどうですかと言われ。そこで初めて、今回のキャストのひとと喋った。それが弓月だってとこが、私の弓月愛が通じたというかなんというか(笑)。でも、まあ、私は、歩いて五分のとこ、わざわざタクシー乗る必要もないしって断って、宮内さんも別の方向だからって断って、それだけ。

・5月の初打ち合わせの段階から、この「顔合わせ」が原作者としてまず大きな仕事、と言われていたので、とりあえず、それが終わって一区切り。あとは……何があるのやら。

・とにもかくにも「ここから始まる」のです。

……以上で、「顔合わせ会」レポはおしまいです。
この「顔合わせ会」で、私は、二十年分くらいの「緊張」を使い果たしまして。
その後、ドラマの関係で、あちこちで講演をしたり、萬田久子さんとトークイベントまでしたり、そりゃもういろんなことがあったんですが、まったく緊張しませんでした。
もともと緊張しやすい質だったはずなんですが、この日、本気で、私の「緊張」エネルギーは枯れ果てたんだと思います。ひとりぼっちでアウェー感ばりばりの上に(キャストさんにもスタッフさんにも有名人がごろごろしてるなか、私だけがドラマってものに縁のない人間で)、立場だけ微妙に上のほうって、ホント大変で。NHKの方はホントにあれこれ気を遣ってくださったんですが、それでも、基本、いるだけで場違いなもので(笑)。しかも、章とか左近とか〈在天別流〉とか、自分の物語世界の言葉が、当たり前のモノのように空間を飛び交うのがむずむずするっつーか、なんかもう、どないしてええかわからんかった。
とにもかくにも、この「顔合わせ」、後々まで自分にとって影響の大きかったイベントでした。

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