再びといいますか、結局、四回見ました、映画「009 RE:CYBORG」。
行くたびに、「いやコレ繰り返すよりもエヴァQ見るべきか?」と思いつつ、それでもやっぱり同じモノを選んでチケット購入。近くの映画館では、今日から深夜枠のみの上映に変わってしまったので、残念ながら、もう行けないかな。行けたら、まだ行きたかったですけど。
四回めは、さすがにそれまでに比べてワクワク感が減って、「あー、一から十まで感激できた三回めまででやめときゃよかったのかも」と思いかけたりもしたのですが、見ているうちにテンションあがってきて、やっぱり見てよかった!と思い直しました。何回見ても、急上昇する熱源発見!からジェットの飛翔する爆音、ジョーとの接触あたりで、どーしよーもなく胸が熱くなります。そんで、エンディングの音楽がまたいいんだ。
映画という娯楽に、それほど思い入れがある質ではないので、同じ映画を何度も映画館で見る、という経験はほとんどなくて。これまでは、数年前の「宇宙戦艦ヤマト復活編」を三回見たのが最高。今回、自己ベストを更新してしまいました。まさか、「009」で、「ヤマト」を抜くとは思わなかった。「ヤマト」は人生の何分の一かを決定づけた幼少期の最愛のアニメだから、「復活編」は、まあ突っ込みどころはあれこれあるけど、もう一度「ヤマト発進!」を大画面で見られただけでいいよ、子供の頃は映画を何度も見るなんて不可能だったんだもの、と思って複数回、足を運んだわけですが(しかも主題歌がアルフィーだったしね)。
「009」は、旧作にさほどの思い入れがなく、逆に、めちゃめちゃ思い入れのあるひとたちをリアルタイムで見ていた世代なので(同時代的に、「ヤマト」派だったり、「009」派だったり、「ガンダム」派だったりしたわけです。それぞれ、劇場版の新作が出てた時代で)、まさか自分が今になって、という気分です。
原作やアニメ旧作に対する距離感によって、評価が相当、分かれる作品なんだろうなとは思うのです。キャラを把握していたか、どのくらい思い入れがあったか、原作が未完に終わった経緯を知っていたか……云々の差で、いろいろと。私には、何から何まで、非常にツボに来る映画でした。キャラの個性がそれぞれ好きだし、全体におけるアクションシーンの比率も好きだし、疾走感がめちゃ好みだし。神話や哲学がらみなとこも好きだし、なんとなくハッピーエンドなとこも好きだし。
初回、見たときは、「流れ星」エンドでよかったんじゃないのかなとも思ったのですが、でも実際に「流れ星」エンドだったら、複数回は見なかった。私は基本、キャラに思いいれて作品を愛する質なので、「流れ星」を何度も繰り返す気になれなかったと思う。そして、「良い映画だったな」で終わって、「009」作品世界そのものにまで興味は持たずに、そこで終わりだったと思う。そういう意味で、まさにこの映画の宣伝コピー、「終わらせなければ、始まらない」を実現するために、私にとって、あの穏やかなラストは必要でした。
あと、個人的な事情なんですが、密かに自分にとって大きかったのではないかと思っているのが、一回めに一緒にいった「009」好きの友人が、私に対して、布教力が常に大きいひとであること。私、どっちかというと、人に勧められて何かを好きになる、ということはなく、むしろこっちから布教しまくりタイプなのですが。彼女に関しては、昔から布教されまくりでした。たとえば、サッカー好きも、もともとそっちから来た趣味だし。映画見終わったあとに聞いた、「彼女の語る009」が充実していて、ちょっと引っ張られたかもしれん(笑)。
ともあれ、何度も見に行きたくなる映画に巡り会えたのはホントによかった! あとは、ブルーレイが発売になるのを待ちます。それまでに、原作読まなくちゃ。