今回の「闇の射手」で、〈在天別流〉の出てくる話は、合計七冊になります(「洪庵」×2、「左近」×2、「あかね」×2、「浪華の翔風」)
個人的な思い入れなのですが、七冊というのは少し、特別な数です。私が自分のバイブルと思っている、中高生のときに愛読していたSFのシリーズものの巻数が、七冊なのです。
私はその七冊のシリーズがとてもとても好きで、その舞台となる世界のことは今でも心底、愛しています。物語の世界は私のなかに確かに存在している。長い歴史を持ち、幾人もの魅力的な人物の住む、一つの世界として。
だから何なんだってうまくいえないんですけど、自分で書いてみたらあっというまの七冊だったけど、読者の立場で読む場合には一つの世界になりうる冊数だったわけで……なんというか、重たい気持ちがするのです。
「時系列通りに進まない」という点において、〈在天〉は、そのシリーズの影響を受けています。次はどの時代で誰がメインの話かな、と待つのが楽しみだったんですよね。基本、一話完結で。〈在天〉の物語も、そんなふうに書いていけたらいいなーと思っています。
……〈在天〉の八冊目は、「あかね」になると思います。お待たせしたぶん、読み応えのあるものにしますので、もう少し、お待ちくださいませ。