そろそろ、新刊、店頭に出てますでしょうか。
ぜひ、お手にとっていただければと思います!

で。
ちょっと表紙絵について、語ってみようかと思います。

実は今回の絵、ラフ画を見せていただいたときに、すごく驚きまして。
それは嬉しい驚きだったんですけど、どうしてかといいますと。

ちょこっと新刊ネタバレになってしまうのですが……ずばり、「表紙絵のシーンは、作中にないから」、なんです。
読んでいただいたらお判りかと思いますが、ある意味で、この表紙絵、内容とは合ってません。こんな穏やかな感じの話じゃないんで、今回。
でも、それでいて、「私がこの話で書きたかったのは、こういうこと」ってところには、ぴったりなんですよ。

若狭が楽を奏していて左近が聴いている図、というのは、他の作品のなかでも、書いたことはないんですよね。弓月の笛を聴いている左近、というのは洪庵シリーズの「木綿さばき」で書いたんですけど、若狭はなくて。でも、聴くとしたら、こういうふうに、背中合わせにさりげなく聴いているのが似合うなー、と思ってまして。弓月さんの場合は、「そこで聴いてろ」って妹を目の前に座らせてから、吹きはじめそうな気がしますが。

だから、「高麗屋コンビ」の関係ができていくところを書きたくて書いた今回の話に、こういう表紙を描いていただけたっていうのが、とても嬉しいです。

村田涼平さま、「十一屋」に続いて、今回も素晴らしい絵を、本当にありがとうございました。

……ところで。
楽家のみなさんが、どの家筋の人であっても、何かっちゃ龍笛を吹いていることについては(今回の物語でも、若狭と龍笛とが関わるシーンはありまして、絵はそれをふまえて描いてくださったものかと)、なんといいますか、東儀家なら篳篥のはずだろう、とか、それを言うなら林家は笙なのでは(楽家は、相伝の担当楽器が基本的に決まっています)、とか、いろいろ作者としても思うところはあるんですけど、ぶっちゃけ篳篥は隣で聴くには大音量すぎるし、笙は演奏前に火鉢だしてきて楽器あぶらなきゃいけないから手間がかかる上に懐に入れて持ち運べるような大きさでもないわけでして……それで、つい龍笛の出番が増えてしまのです……。
今度はいっそ、琵琶とか楽箏とか、絃楽器を弾かせてみるのも良いかもしれない。

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