そろそろネット上に情報が出はじめたようなので、たまにはここに早めの情報を書いてみます(でないと、ブログの意味がない……)。6月発売予定の新作は、幻冬舎文庫さんから。「天文御用十一屋」。大坂の蘭学者や天文学者がらみの事件モノです。実在の存在をタイトルに入れたのって、「緒方洪庵」以来かな……あ、「鴻池小町」もありました。でも、「鴻池」より「洪庵」系かと思います、史実とフィクションの混ざり具合が。発売はまだ一月近く先ですが、どうぞよろしくお願いいたします!
それから。「活字倶楽部」春号(最新号)の新刊レビューで、「浪華疾風伝 あかね」シリーズをとりあげていただいています。「一気読み確実」と、嬉しいコメントもいただいてまして。ありがとうございます。
「あかね」シリーズは、時代小説レーベルとは違う文庫での挑戦でしたから、執筆にあたっては、それなりに悩みも迷いもありました。それだけに、こういう紹介を書いていただけるのはとても嬉しいです。ずっと前から書きたかった話を自由に書かせてもらえたので、書いている間もホントに楽しかったし(過去形で書いてますが、もちろん、まだ続きは出ます!)。……ただ、その反動でか、「あかね2」脱稿後、いろいろあった去年の疲れが一気にまわってきたかのように、「築山桂」の看板あげて以来最大のスランプに陥って、しばらくのたうちまわったりしていたんですが(ブログの端々にも見え隠れしてるような……)、暗いトンネルを抜け、その直後に書いた(というより、これを書いたことでトンネルの出口が見えたというか)新作「十一屋」の準備も一通り終わった今は、やけにすっきりした気持ちです。
悩んでた話をぐだぐだ書いたってしょうがないんですが、つまるところ、アマチュア時代から書きたかった話(厳密にいえば、章シリーズほか〈在天別流〉の話を書きはじめたときというのは、私はまだ、プロとは言い切れないような身の上だったわけで)を刊行できたことをきっかけに、しばし、自分の来し方行く末を見つめる旅に出てしまっていた、という感じです。脳内旅行ですけど(笑)。いろいろ自分の気持ちを整理して、無事に旅から帰ってきた今は、晴れ晴れと、「あー、小説が書きたいなー」と思う日々を過ごしてます。……いや、書けばいいんですけど、そんなこと言ってる暇で。
そんなこと言っておいて、次の原稿が行き詰まったら、また落ち込み期に入るのかなと思ったりもしますが、なんだか、今は、そんなこともなく走れるような気がしています。今、ホントに、小説が書きたいです。プロになったあと、やっぱり一度や二度は「もう二度と小説なんか書きたくねーや」と思ったこともあったので。今は、そんな気持ちになった自分が嘘みたい。これから書く予定の小説アレやコレやのことを考えると、わくわくします。がんばろ。