第八話「蘭方医の戦い」。原作では「北前船始末」の第四話「蘭方医」。いよいよ最後のエピソード、前後編。

鍵を握る男、佐伯京次郎。キャスティングを知ったのは、ちょうど去年の民放ドラマ「SCANDAL」の最終回を見た直後。「あの怪しげなピアニスト役のひとが佐伯京次郎! ぴったりやん!」と思いました。普段あまりドラマ見る方じゃないんですが、「SCANDAL」は全話見ていたので、なんか嬉しかった。期待通り、癖のある、カッコいい悪役でした。

赤穂屋とか若狭とか、左近の周辺にいる男たちが徐々に章を認め始めてる感じが、なんだか嬉しい。そして、弓月さんの屋敷は相変わらず派手(笑)。

しかし、章くん。画面のこっちからツッコまずにいられませんでした。「また人前で左近の名前呼んで……3話のときに何も学ばんかったんか!」。若狭が見てたら、これだから学問しかできない腰抜け侍はと、思い切りどつかれそうです。先週の「お前のせいで左近に何かあったら……」の科白を思い出せば、どつかれるだけではすまなかったかも(まあ、その後命がけで左近をかばったから帳消しか?)

全体的に言えることなのだけれど、ドラマの章は原作以上に青くて、世慣れていない。私自身は章を、現代で例えるなら大学院生か、大学卒業後の研修医くらいのイメージと思っているのですが、ドラマの章は医学部に入学したての大学生くらいから始まって、最終話あたりでやっと卒業間近といった感じ。窪田くんの溌剌とした若さがあって、その上にできあがったキャラクターなんだと思います。

そういえば、先日あるインタビューで、ドラマについて「驚くほど原作通りに作ってもらった」というようなことをお話ししました。あとから考えたら、「そうでもなかったかな」とも思ったのですが……ドラマ化というのは「思いっきり改変されて、物語の骨組みしか残らない」こともありうる、その辺は一種の賭みたいなものだとも覚悟していたので、今でも、この「浪花の華」は、基本的に「原作通りに作ってもらった」気が、しています。

さて。最終回のDVD、数日前に手元に届いているんですが、実はまだ見ていません。締め切り前で忙しい、ということもあるんですが、なんだか……見るのが寂しくて。BSハイビジョン放映までには見ようと思っていますが、初回を見たときと同じくらい、特別な時間になりそうです。

本日の〈kuroneco写真館〉♪

思々斎塾の客間。
同心と問答したり、日高先生&佐伯さんと章が対面したり。さかのぼれば、耕介が恋人のことで天游先生と言い合いしたり。いろんなことがあった座敷です。普段は蘭方医らしく、畳の上に異国渡りの絨毯が敷かれています。

佐伯さんが飛び込んだ池。池に落ちた瞬間&ずぶぬれで再登場した瞬間、「うわ、寒そう」と、思わず震えが……。

時代劇ではおなじみの大覚寺。8話でもお世話になっております。これは、7話のときの機材車の様子。

最終話のあと、残っている思々斎塾や高麗屋の写真を、少しまとめてUPしたいなとも思っています。きっとその頃には原稿も仕上がっていて、時間の余裕もあるはずなので(←家請人克次3巻の原稿。現在、大詰めです……)。