第7話「左近を救え」。原作では、「禁書売り」の第四話、「木綿さばき」。

……といっても、今回も、かなりアレンジされたお話。原作で話の大事なテーマでもあった木綿流通の話。それがかなり大胆にまとめられていたり、村むらの「国訴」話がカットされていたり。特に「国訴」の言葉が一回も出なかったー、というのはちょっと寂しいですが、まあややこしい話なんで、仕方ないです。なんせ、時間は30分しかないのです。やっぱり殺陣は入れて欲しいですし!

今回のメインは、章と左近と若狭の関係。そこを中心に描く話になると判っていたので、見る前はかなりドキドキしておりました。

というのも、実は、5話くらいからか、脚本を見て自分で勝手に思い浮かべていたイメージというのは、役者さんの演技や演出によって、かなり変わるんだということが判ってきたのです。役者さんの表情一つで、「え、こういう感じになるんだ!? ちょっと予想外……」と驚いたことが何度かありまして。その時に、自分が「脚本を読む」という行為を、「本を読む」のと同じようにしか思っていなかったことに気づきました。脚本を知っていても、ドラマにおけるキャラクターの方向性は演技次第で変わるわけで……予測が付かない。まったく想定外の方向にいくことだって、ありうる。もちろん、それが映像化の醍醐味でもあります。

ちなみに、その驚いたシーンは、どれもこれも「もっと淡泊なシーンになるかと思ってたら、予想外に濃いなー!」という感じでして、この濃さがこのドラマの基本ラインなんだと今は思っております(笑)。

そんなわけで、7話。よかった。三角関係(?)とはいえ、三者三様のかっこよさがあって、見せ場があって。それぞれのキャラクターの、全話のなかでも「特にお気に入り」になりそうな場面もありました。それぞれについて語ると、先週以上に長くなりそうなんで、書かずに大事に胸にしまっておきます。

左近の拷問シーンは、先週の治療シーンと同じく、ちょっと見てて痛そうで辛かったのでコメントしづらいものが。村越@今井朋彦さんがまた良い感じにコワイもんだから……。

今回の隠れた見所は、弓月さんの笛の音とともに奉行の成敗に勢揃いした舞楽面の〈別流〉勢。雅楽指導の先生も「普通は一度に同じ場所に集まることのない面やし、貴重なカット」と。若狭が還城楽の面をつけていたのは、科白を喋る口元が見えるように、だそうです。もちろん面はすべて、四天王寺さん所有で、天王寺楽所雅亮会さんが使っているもの。蘇莫者(目がぎょろっと光る長髪の面)、インパクトありました。

予告ではいよいよ、最終話前後編へ突入。
章の江戸行きの話も出てきました。
もう、ホントに、終わり間近なんですね。あー長かったなあ、とも思いますし、あっという間だったようにも思います。でも、まだ最後の山場が残っています。楽しみです!

本日の〈kuroneco写真館〉

章と若狭の対決シーンは、大覚寺にて。
道ばたのススキ、てっきりホンモノだと思っていたら、撮影終了後、ひょいっと担ぎ上げられて撤去されまして、びっくり。もしかして木も作り物だったのでしょうか……確かめられませんでした(^^;)

傘を差しているひとがいるのは、雪がちらついていたから。太陽が雲の影から出てくる瞬間を狙っての撮影でした。

神泉苑。弓月さんの龍笛シーン。かっこよかった……!
実は、現場では雪は降っておりませんのですが……最近の映像はさすがやなー……。

何度も撮影見学させてもらいましたけど、太秦→大覚寺→神泉苑と京都を駆け回った7話ロケのこの日が、私の最後の見学日。kuronecoさんと二人でロケ隊を追っかけました。雪もちらつく寒い日でしたが、素敵な思い出になりました。現場のみなさま、本当にありがとうございました。