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舞台「蘭 緒方洪庵・浪華の事件帳」の、お稽古を見学させていただきました。
都内某所にて、運良く(というか、松竹の方がそういう日を指定してくださったと思います)、キャストさん全員集合の日でして、通し稽古を拝見しました。
 
章を、左近を、天游先生を、お定先生を、若狭を、耕介を、あの役者さんたちが演じておられて、舞台の上に、思々斎塾があって、高麗屋がある。感無量、でした。でも、まだ本番ではなく、お稽古場。本番への期待が、さらに高まりました。
 
もしかして、本番まで、ネタバレ回避で役者さんの取材記事やTwitter、ブログなども避けている、という方いらしたら、この先、少しばかりのネタバレになるかもなので、避けていただければと思うのですが。
 
よろしいでしょうか?
 
たくさん笑って、ほろりとして、にぎやかで楽しい舞台――になると思います。これからさらにブラッシュアップされていくと思うので、「なると思います」なのですが。私が見た段階でもすでに、笑って泣いて盛り上がって!という感じでした! 
 
あと、私の時代劇好きの原点はアクション、殺陣、チャンバラといった要素なのですが、その点も、期待以上です。左近は左近らしいし、若狭は若狭らしいし、めちゃくちゃかっこいい!……各種記事のなかで、この舞台、「笑いと人情!」って強調されることが多いような気がするんですが、もちろんそこはたっぷり見せ場だと思うしめちゃくちゃ笑ったし何度も涙ぐみましたけど、でも、アクションもめっちゃあります! そこを言いたい! なんといっても、強く戦えなきゃ在天別流じゃない!
 
あ、在天以外の方も殺陣ありまして、そちらも、また個性的ですごくかっこいいんですが、ストーリーに関わるんで、内緒です。左近と若狭は、殺陣がないわけはないので、そこはストーリーバレにはならないですよね。
 
完成品のお芝居のなかで殺陣を見るときは、たいてい、斬る側、やっつける側に感情移入していますから、やられる側は意識が向かなかったりするのですが、お稽古場では、やられる方ひとりひとりの動き、息づかいなんかが本当に激しくて、殺陣というのはこうやって完成されていくものなんだなと。斬って、斬られて、そして、互いに絶対に怪我のないように。その張り詰めた感じ。プロデューサーさんが、「殺陣に怪我はつきもの、なんていうひともいますが、そんなことは絶対にありません。怪我をしちゃいけない」と強く言われていたのが、とても印象的でした。本番でストーリーを中心に見ているときには感じずに通り過ぎるもの。貴重な体験でした。
 
基本、どのキャラも、熱いです。すごく熱い。「後の洪庵」とカッコ書きがつくにふさわしい、学問一途な章に、「これぞ大坂の夫婦」な師匠夫婦と塾の面々はもちろん、悪徳商人や、悪徳じゃない商人や、役人や手先さん、恋する若者も。なんていうか、いい意味で(いい意味で、です!)、ムダに活気のあるのが大坂人なんだ!、という空気が、すごく出ていると思います。そういう大坂が、私は好きです。学者でも商人でも観光案内人でも、めっちゃやる気あんでー、という感じ。
 
オープニング、エンディングも熱いです。
それに関連して、かな、個人的に、そんなこと予想もしてなかったけどすごくうれしい!ということが。これは、左近役が北翔海莉さんだったから実現したこと、といえるんじゃないかな。初日が来たらわかるのか、その前にわかるのか、どっちだろう。とにかく、楽しみです!
 
キャストさんのブログですでに公表されてますが、「客席降り」もありまして(公表済みなんで、ここにも書きますが、饅頭屋さんと瓦版屋さんです)。そのへんも、凝ってます。一足先に、お客さんの気持ちを味わわせていただきました。ちょっと、かなり、ドキドキしました。
 
あと、私が「稽古場見学」初体験だったがゆえの「面白かったこと」なんですが。
 
舞台が、まわるんです。めずらしいことではないです。場面転換でまわるのは、まあ当たり前。でも、稽古場の床は、松竹座や新橋演舞場の舞台と違って、まわらない。だから、「まわったつもり」で芝居が続きます。つまり、今まで正面だと思っていたところが、「舞台がまわった」あとには、裏側になります。裏側だったところに、芝居の中心が移ります。なので、演出家さんとか映像記録係さんとか、稽古を見ている側が、舞台のかわりにまわるんです。スタジオの壁にそってまわりながら見学をしなければ、芝居がいきなり、セットの裏側に行っちゃったりする。なので、今回の私の場合、演出の錦織さんが、「次、右に動いてください」「今度は正面戻ります」等々、次の動きを先導してくださいまして、ついて歩きながら拝見しました。そういうふうに稽古されるんだ、ってことが、素人には、とっても、おもしろかったです。……錦織さんには、本当に丁寧にご説明いただきまして、ありがとうございました。
 
そのほか、いろいろまだまだ語りたいのですが、まだお稽古段階ですから。このくらいにしておきます。実は、当日、現場では、なんだかぼーっとしていて、プロデューサーさんにも演出家さんにもキャストさんにも、ちゃんと感想を言えなかった気がしています。自分のなかで消化するのが大変でした。ひとつには、自分の作品がお芝居になっているということ。もうひとつは、まだ完成品ではない、これから作られていく途中の芝居というものを見た、ということ。その二つの衝撃が大きすぎました。数日が過ぎて、ようやく落ち着いて、「さあ、本番楽しみ!」という気持ちに、改めて、なっています。
 
本番見たら、きっと、また語ります。ちょっとまた、すぐには書けないかもですが。……でも、初日が過ぎても、ネタバレ語りはできないですよね。このブログ見てくださってる方のなかには、千秋楽が自分の初日、という方もいらっしゃるでしょうし。ドラマのときは、放映終わればネタバレおっけー、という感じでしたが、舞台むずかしいな。
 
あ、最後にこれだけ。本番じゃなくて、稽古場ならではのこと。役者のみなさまのお稽古着が、それぞれに個性的で、粋で、素敵でした。着こなし方も。裾捌きひとつにときめきを感じられるのが、時代劇の醍醐味ですね。
 
先のブログにも書きましたが、お稽古を見た翌日、駒込の高林寺にある洪庵先生のお墓をお参りしまして。そのまま、ぶらぶら30分ほど歩いて東京国立博物館に行ったのですが。
 
途中、スカイツリーが見えるんです。
 
天游先生の時代の蘭学者は、医学に限らず、科学技術全般を、オランダから取り入れようと必死になっていて、そういう積み重ねが近代日本を支えて、そして、今はあんな大きなものまで作っちゃうんだな日本人……と、前の日に見た天游お定夫婦の熱い姿を思いだしつつ、なんか、感動しました。科学技術ってすごい。
 
 

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